調味料の話、2019

調味料の何が良いかと言うと、ファッションみたいに客観的な印象づけがあるわけでなく、主観的に楽しんで完結できるところが良い。

料理そのものは作る人の技量やオリジナリティが問われるけれど、調味料単体なら基本的に誰が使おうと同じ味を再現できる、そこも良い。

そんな大して変わらんだろってくらい細かいのも良い。無限にバリエーションの増える道具をたくさん揃えたくなる気持ちに似ている。

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普段生きていて調味料の話をすることはまず無いので、今日は思い切って思う存分思いの丈を話そうと思う。

 

◆私が選ぶ調味料第5位:オイスターソース

いきなり何が始まったのだという書き出しだが、ベスト5までに話をまとめるのでどうか堪えていただきたい。

オイスターソースと言えば19世紀に広東省で発明されその後爆発的に中国国内ひいてはアジア全域に広まった調味料として有名である。炒め物に加えるだけで途端に中華になる。ひとさじ加えただけでその色に染まってしまうようなクセの強い調味料はいくつもある、例えばカレー粉を加えればその料理はカレーになるし、ケチャップを加えれば塩味でもないトマト味でもない「ケチャップ味」の料理になる。しかしオイスターソースはオイスターソースではあるが「中華料理」になるのだ、存在感があるようで無い。それがとても魅力的だと思う。

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◆私が選ぶ調味料第4位:ラー油

意外と使い所が難しい調味料だ。味付けに向かなければ炒め油にも適さない。人間にもなれず山犬にもなりきれぬ哀れで醜い我が娘のようだ。最近では食べラー・メンマ牛丼の復活に国中の労働者たちが歓喜したものだが、そうした濃い食事への追いトッピングとしてよりも、ラー油は淡白な食事にこそ威力を発揮すると思う。中華粥とか。故郷の母親が「借金をする男は結婚ができない」という言葉と一緒に教えてくれたことだ。

私からはささやかながら存在感のある香りが鮮烈な李錦記のラー油を推させて頂こう。

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◆私が選ぶ調味料第3位:酢

そこそこ良い中華屋に行くと大抵置いてあるのが、「鎮江香醋」という香酢だ。日本でよく見かけるミツカンの透明な酢は米酢であるのに対し、もち米を発酵させアミノ酸による濃厚な風味を生んでいることが特徴。癖はあるけど癖になる香り。人類は大麻なんて辞めて鎮江香醋を蒸発させて吸おう。

日高屋(※)で餃子定食を頼むと醤油:酢を4:6で加えるが、孤独のグルメ井之頭五郎いわく酢+胡椒という食べ方もある。案外餃子本体にも塩味要素はあるので行けるかもしれない。それに、行儀は悪いかもしれないが付け合わせの中華スープに大量に酢を入れて飲むと「健康を飲んでいる」気持ちになれて良い。

(※)熱烈中華食堂 日高屋のこと。餃子が6個230円なのに普通に美味しい等、破壊的なコスパが売り

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◆私が選ぶ調味料第2位:黒胡椒

胡椒が希少である時代もあった中で、粒のブラックペッパーもペッパーミルも簡単に買える時代に生まれて幸せだと思う。人類は大麻なんて辞めて胡椒の木を栽培しよう。肉料理にはやはり最後に胡椒を入れたくなってしまう、パスタにも入れてしまう、甘いトーストにかけても料理として成立してしまう、脳が、五臓六腑が胡椒を求めている、DNAが胡椒の香りを求めているんだよそうだよきっと前世から愛していた、お前を

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◆私が選ぶ調味料第1位:醤油

やっぱりね〜原初の記憶が俺を呼んでいるね。一杯目のご飯でおかずを全て食べ、二杯目のご飯はボーナスステージなので醤油だけ掛けて食べたりするわけよ。マーガリンとかゴマとか海苔とか載せてね。今でもランチタイムはご飯お代わり一杯無料!みたいなお店に1人で入るとやっちゃったりするわけ、今日もやった

味付けに迷ったら、なんか薄いなぁと思ったらとりあえず醤油を入れてしまう、薄口とか白醤油とかしゃらくせぇので濃口醤油をやはり選んでしまいますね。去年は6本セット醤油を買ったりもした。とりあえず刺身に一番濃い絵の具であるたまり醤油を使うと結構分かりやすく味が変わって面白かった。確かに刺身に醤油ってあまり馴染まないから物足りなさを感じることはあるので良かった、でも印象深いのはそれくらいで他は正直うまく使いこなせていない。

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ステーキには果たしてどの調味料が最も合うかという論争も過去2,000年くらい議論に議論が重ねられているが、私の中では答えは決まっていて、それはワサビ醤油に他ならない。

2019年は醤油作り体験に行きたいとか言い出すかもしれない。もしかしたら自分の家で醤油を作り始めるかもしれない。さらに言うと飲み始めるかもしれない。全体的に分かったことだが、塩分の過剰摂取が危ない。強い味付けじゃないと満足できない身体に気づかずにもうなっているような気もする。塩分を多く含む調味料は人体に影響を与えるので規制対象、とか言われたら一揆を起こすかもしれない、そう思いました…以上、私が選ぶ調味料ランキング5位から1位までの発表でした〜皆さん良い週末を〜〜