なぜ埼玉には魅力が無いのか

埼玉には十数年暮らしていたが、つくづく観光地としての魅力が薄いと思う。群馬や栃木には温泉がある。神奈川には中華街やみなとみらいがある。千葉にはディズニーがある。しかし埼玉は?

あの花効果で秩父は有名になったし、長瀞はかき氷の名店もあるが、観光地としての知名度は薄いしランドマーク的なスポットがある訳でもない。


グルメ的にも売りが何も無い。

栃木には餃子もあるしイチゴもある。神奈川には横浜中華街も家系ラーメンもある。群馬には一応上州太田焼きそばとかひもかわうどんとかの麺類で押せる。千葉も苦しいが海産物でごり押しできる。

埼玉は特に無い。草加煎餅も風が語りかけて来るまんじゅうも、わざわざ食べに行くものでは無い。


何故埼玉はこんなに地味なのか?山も海もなく資源の乏しい盆地であるにもかかわらず都会近郊という付和雷同的なプライドを持っているが故か、街の濃い打ち出しをしてこなかったことにあるのではなかろうか。

たとえばみなとみらいは相当規模がでかい。中華街があり巨大な公園があり港があり赤レンガ倉庫があり遊園地があり、で。それくらいやって初めて1つの観光地として成立するのだと思う。

さいたま新都心とか言って、大きなショッピングモールに映画館をくっつけたところで地方のイオンモールとそれほど変わらないのだ。1つの事業主が頑張って平坦な商業施設を建てたところで観光地ができるわけでは無いのだろう。

 


キャラで売るチャンスもモノにできていないのだと思う。

10年ほど前のらきすたのヒットを受けて鷺宮神社に一時期人が集まったという。恐らくアニメ聖地巡礼ブームの黎明期であった事から、凄いことだね~良かったね~で一過性的にその流れを終えてしまったことは痛い。

例えば千葉県の大洗はガルパンブームで観光客を集めたが、その地自体の魅力をきちんと感じさせることで定常的に観光客を入れることに成功していると思う。そもそも商店街を挙げてガルパンブームに乗っかってる感じは素直に凄いと思った。あんこう祭を年1でやってるのも偉い。プロレスラーの蝶野を観光大使にするのも凄い。そうした作品と街の共生共存に成功しているのだと思う。

まあ、ガルパン自体が息の長いコンテンツだ、という事もありそうだ。異世界モノのアニメが席巻している今、埼玉を舞台にしようという作品なんてまんがタイムきらら系の作品くらいだろう。根強い好感度は得られても聖地巡礼までさせるパワーには欠けていそうだ。


そういう意味で秩父はあの花効果で一時的な成功を収めたのではなかろうか。しかし流石にもうアニメ自体が語られなくなった今、結局広い土地と公園跡だけが残っている。長期的な知名度向上や観光地化に対してそこまで乗り気じゃ無いように思える。

 


埼玉自身に観光地になる気が無いのならそれまでだが、何か一つくらい盛り上がるものがあってもいいのでは無いか。とにかく埼玉は全国に対する主張が薄い。鉄道博物館もさいたま新都心ももっとイキっていいと思う。そしてムーミンランドはもっと存在感をアピろう。

 

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